ANTI-HEAT ’17

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太陽は厚い雲のむこう隠遁したまま、2017年の夏が終わろうと、してるけれど。夏のフィーリングをプレイバックする企画やっておきます。

*昨年はこちら:ANTI-HEAT ’16/一昨年はこちら:ANTI-HEAT ’15

Youtubeで年内公開されたミュージックビデオから選ぶ、なんとなく夏らしいミックステープ『ANTI-HEAT』の制作も早3年目となりました。おおむね上半期ベスト・トラック集としても、お楽しみ頂けます。ぜひ記事後半の各曲紹介とあわせてご覧下さい。

さらに今回からApple Musicのプレイリストも(聴ける音源のみで)同時公開します! 文明の利器!

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鬼火 リリースライブ in 仙台

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@7ep_records ツイートより

・『鬼火』リリースライブ@cafe Mozart Atelier、2017/07/23

アルバム『鬼火』を昨年10月発表したyumboのワンマン・ライブが、夏を迎えた彼らのホームグラウンド仙台にて行われた。客入れ中はバンドのメイン・コンポーザーである澁谷浩次の希望でSadeが静かに流れ、会場となった営業終了後のカフェが、ライブハウスと異なる和やかな雰囲気そして期待感に満ちる頃、もう始めてしまっていいよね、という具合でシームレスに開演した。

ライブは2部構成だった。 第1部では冒頭『さみしい』に続けて、新譜から『偉大なるサークル』、さらに出来たばかりの新しい曲から古い曲までを織り交ぜた柔軟なセットリストを披露した。後になって振り返れば、『鬼火』収録曲のなかで最初に『偉大なるサークル』を演奏した事は、yumboという慎ましいサークルに似つかわしい濃厚な夜気/妖気を招き入れるための、仕掛けの一つだったのかもしれない。

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A Road to あたえられたもの

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本稿では2人のミュージシャン――オオルタイチ(Oorutaichi)とウタモ(Ytamo)が、ユニット「ゆうき」としてフルアルバム『あたえられたもの』をリリースするに至るまでの、幾つかの音源を筆者の視点でピックアップ(ゆえに見出しを「The Road to…」ではなく「A Road to…」と)しながら辿ってみる。

* * *

『ihati ep』 (2011)

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全4曲。「オオルタイチ+ウタモ」名義で発表された、2人の最初の音源。後のアルバム『あたえられたもの』に収録される曲も全て異なるアレンジとなっており、エレクトロニックな『Plant』が聴けたり、『忘れたい気持ち』のドラムを楯川陽二郎(Boredoms、ゑでぃまぁこん)が叩いていたりする貴重な記録だ。唯一のアルバム未収録『田んぼ』は素朴な自然を歌った弾き語り曲で、以降オオルタイチが作詞曲した『岩木遠足のうた』[1]や『つくばね小水力発電テーマ曲』[2]の先駆といえる。

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あたえられたもの リリースツアー in 仙台

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・『あたえられたもの リリースツアー in 仙台』@rock cafe PETERPAN、2017/06/19

オオルタイチとウタモの2人によるユニット=ゆうきは昨年末に発表したファースト・アルバム『あたえられたもの』を記念し、全国をゆっくりと回るツアーを展開。ユニットによる東北でのライブは、2011年に行われたキセルとの合同ツアー以来となった。

2011年のライブでは、前身のバンド・ウリチパン郡が休止して2人での活動を開始したばかりにも関わらず、それまでの両者の楽曲イメージと異なるアコースティックでソングオリエンテッドな方向性――それは例えば、当時被災地へ熱心に足を運びながらアルバム『リトルメロディ』を完成させた七尾旅人らと共振していた――をはっきりと打ち出し、共演者たちとの相性も抜群で、非常にピースフルな感動に包まれた。ゆえに、5年振りの東北ライブは真に「待望」であった。

繁華街のビルの2階、老舗ロック・カフェの店内に22席を並べた親密な空間の中で、今回の仙台公演が行われた。オープニング・アクトに在仙のミュージシャン佐藤那美を迎えた。

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【音楽】H

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Powder – 『H』

イニシャル「H」ではじまる6分前後のトラックばかり収められた、Powderにとって過去最もコンセプチュアルな最新EPを〈Cocktail D’Amore〉からリリース。大胆なジャケットデザインも含め、作品全体がセクシャルなウィットに富んでいる。収録曲は順番に『Hip』、『Heart』、盤を裏返して『Hole』、『Hair』なので、「見えてない」方がB-sideということだろうか。

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sheep sleep sharp / かすかな希望

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・『sheep sleep sharp』@LUMINE0、2017/05/05

新作は「血塗れ」?

〈マームとジプシー〉≒藤田貴大が、過去作で書いてきたどの言葉よりも「すこし先をいく作品」という意味合いで、単に最新の公演ではないオリジナルの最新作と銘打つ『sheep sleep sharp』。公演前のインタビューで藤田は次のような話をした。

大きな話を考える以前に、ほんとにお前次第なことって考えられないのってことを自分自身に対して思ったんですよね。すぐに頭の中を膨大にして「何十年先」とかって言葉を使ってきたけど、すべてのことは自分のためなんじゃないのってことを年末年始に思ったんです。

これまではストーリーのこととか一度も考えたことがなかったんだけど、今回はストーリーのことばっか考えていて。

――――『sheep sleep sharp』藤田貴大 インタビュー

他人に委ねるのではなく「すべて自分のため」に行われなければならない、という一つの主題と、これまでの藤田の手法からの変革とも取れる「ストーリー重視」発言。特に後者にまつわる話題として、『sss』では初めて稽古開始より先に全体のプロットが用意されたらしい。

…などの前情報を携えて、期待に胸膨らませ新宿駅新南口エリアのLUMINE0に足を運んだ。開演を待つホールには役者が着用するものと同じ〈trippen〉の靴を展示していた。『sss』の舞台は横幅に対して奥行きがおよそ4:1位とかなり狭く、客席と対面に、足下を見せるためか高めに床が組んであった。

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【演劇】タイムライン’17

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・チャレンジふくしまパフォーミングアーツプロジェクト『タイムライン』@いわきアリオス小劇場、2017/03/26

*昨年の『タイムライン』公演の模様はこちらでお読みいただけます

* * *

2年目を迎えたプロジェクト

昨年同様「中高生によるミュージカル創作プロジェクト」というコンセプトを掲げ、参加した学生たちが、下記講師陣との数回のワークショップを通して舞台を作り上げた。舞台に立つ俳優、楽器の生演奏、映し出される写真と映像、すべてが中高生の手によるものである。

  • 出演:ふくしまの中学生・高校生
  • 作・演出:藤田貴大(マームとジプシー)
  • 音楽:大友良英
  • 振付:酒井幸菜
  • 写真・映像:石川直樹
  • 衣装:suzuki takayuki

何の変哲もない、3月の「あの日」

舞台の展開はおおよそ昨年のものを継承しており、集まった二十数名の中高生の「おはよう」から「おやすみ」までを――作中の表現を借りるならば、なんの変哲もない3月のある一日を、音楽と演出で彩り、ミュージカルに仕立て上げたものだ。

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【音楽】五月の花

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花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ

もとは唐の時代の漢詩を、井伏鱒二が翻訳した、この一節を思い出さずいられる春なんて、もう来ないだろう。それほどまでに、春はいつも圧倒的に「花」と「さよなら」で満ち溢れる。

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【本】わかったさんのクッキー

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〈セゾン文化財団〉のニュースレター『viewpoint』77号で、岡田利規自身による近年の作品たちのコンセプト等に触れた、興味深いテキストを読むことができる。そのなかの「想像力の使徒(その2)」と題された部分では、4歳以上の子どもを対象に制作された演劇『わかったさんのクッキー』が取り上げられ、岡田は観客の子供たちについて「演劇という人類の発明品を享受するのに必要なだけの想像力はじゅうぶんに、というよりもしかすると一般の大人たちよりもよっぽど備えて」いると手応えを語っている。

0813wakatta2-600北九州芸術劇場HPの公演情報より

演劇の原作となった児童書『わかったさんのクッキー』は、はたしてどのような本であろうか。「岡田利規がピックアップした」と知ると放っておけない気がしてきて、しかも公演を見ることは叶わなかったのでせめて原作を…と思い、図書館の子供向けコーナーへ足を運んだ。本のタイトルにお菓子が入っているからバレンタインデー前夜のブログ記事にうってつけである。

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